渋峠行ってきました!
みなさんは、サイクリング中どんなことを考えていますか?
サイクリング中、
脳内は完全にフリータイムなので、普段は気にしないような些細なこと、考えないようにしていたことが湧き上がってくる。
これは、サイクリング中に考えたこと、感じたことをまとめた雑記です。
ルートのスペックは、全長250キロ、獲得標高3000メートルくらい。
あの豚肉は腐っていたのか?
前日の夜、豚肉を食べた。
なんだか、少しくさかったような気がする。味も苦かった。
だが、テンションが高かった僕は
「いつか世界一周するんだ!多少傷んでるから食えないなんて贅沢だ!気にしねぇ!」
と、心で叫び、全部食べた。
自分の生物としての頑丈さを信じて全部食べた。
(こういうことをする人は冒険には向いていない気もする。)
社会人になってからの方が学生っぽい生活をしているこのごろだ。
出発から1時間もたつと、脳内は「いつ腹が壊れるか」でいっぱいになる。
しかし、2時間たっても快調(腸)そのものだ。
すると、
「あの豚肉は腐っていなかった。そんなに苦くもなかった。」
という考えと、
「あの豚肉は相当苦かったぞ。1時間後には大変なことになるに違いない。」
という2つの考えが交互にやってくる。
3時間たち、
「ああ、人は未来が確定しないから不安になるんだなぁ」
と、悟りに至ったところで、最初の70キロを消化し、最初の休憩をとる。
別に腹は何ともないが便座に座ってみる。
やはり何ともない。
ここで思いっきり腹を壊していたら、「腐った豚肉を食べて腹を壊した」という事実を受け入れるしかないのだが、何ともないせいでかえって不安になる。
「山の中腹で腹が痛くなったらどうしようか?」などと考えるも、輪行袋を持ってないので引き返せない。
片道125キロのサイクリングに輪行袋なしというのも危機管理がなってない。
社会人になってからの方が学生っぽい生活をしているこのごろだ。
やはりあの豚肉は腐っていなかったのだろうか?
(自分の内臓が強い、という説もある)
結局、渋峠のふもと(草津温泉)まで腐った豚肉のことしか考えずに着いてしまった。
なんて生産性の低い時間なんだ。
ちなみに、草津温泉までの道も結構登りがきつく、苦しみに耐え、時速10キロを下回るようなペースでのっそりのっそり上っていたが、その間も腐った豚肉のことがよぎり、陽気な外国人サイクリストがサムアップしながら笑顔で挨拶してくれた時も腐った豚肉のことを考えていた。
「サイクリングの時間を有意義なものにしたかったら、腐ったものは食べない」ということを学んだ。
渋峠は昼寝に最適、という発見。
普段のサイクリングでは下調べをしない派だ。
コース全体のスペックはざっくり把握するが、峠のスペックや休憩場所はまったく調べない。
なめていた。渋峠をなめていた。
こんなに長いとは思わなかった。
踏めども踏めども頭上には道が続く。
だが、疲れを忘れるほどの絶景!
森林限界を超えて木々が無くなった地面は、街で目にする緑とは違う、力強い緑で彩られている。
ところどころ硫化水素が噴出していて、独特の臭いと、剥き出しの岩肌に「駐停車禁止」の看板。
(ちなみに、硫化水素は嗅覚を鈍らせる作用があるので、臭いが無くても止まらない方がいい。写真が無いのもそのため。)
まさに別世界である。
豚肉のことを考える頻度も3分に1度くらいまで落ちた。
自分の体よりも、渋峠の姿に関心が移る。
ここで、なぜか猛烈な眠気が突如現れる。
昨日はよく寝れた。7時間たっぷり寝て、元気に起きた。
にもかかわらず、猛烈に眠い。耐え難い眠気のために、途中の駐車場で30分くらい昼寝をする。
寝転ぶと、曇天の中でも、大地はホクホクと暖かい。薄手のジャージを超えて体が温まる。
これが活火山の温もりだろうか?(日光のせいだと思わないのが楽しむコツ)
地球の体温に暖められて眠るのは気持ちがいい。
渋峠は昼寝に最適である。
結局、草津温泉から2時間かけて登頂。
気温は15度くらいだろうか?丁度気持ちいいくらいの気温だ。
さっき昼寝したので、写真だけ撮って下る。
頂上は車も多かったので、途中の駐車場で寝といて良かった。
渋峠の途中の駐車場は昼寝に最適である。
帰ってきてから知ったのだが、この先にホテルがあり、「日本国道最高地点到達証明書」というものが貰えるらしい。
!?
やはり、下調べはすべきだな。
まあいい。
今回のサイクリング自体が、次回の下調べということにしよう。
ついに、来たか!?
長い長いダウンヒルを終え、1時間ぶりくらいに力を込めて脚を回しはじめた150キロ地点。
猛烈な吐き気に襲われる。
来たか?ついに来たのか?
腐った豚肉の効果がついに…?
公園で座り込み、深呼吸をする。
その場のノリで後先考えずに行動してしまう自分を呪う。
腐ったものは食べない。誰でも知っている。
そもそも、苦みは毒の摂取を避けるための反応だと聞いたことがある。
ところが、10分程度後悔の念に駆られていると、なぜか吐き気がおさまった。
気を取り直して自転車にまたがると、なぜかパワーが湧いてくる。
渋峠登ってる時は150wくらいだったのに、200wくらいで巡航できる。
吐き気は、単に疲れただけだったようだ。
あの豚肉は腐ってなどなかったのかもしれない。ただの不味い豚肉だったのかもしれない。俺の内臓、優秀なのかもしれない。
快調に飛ばせるようになると、不思議と腐った豚肉は頭をよぎらなくなった。
家までまだ100キロ近くある。4時間はかかるだろう。なのに、不安は何もない。
1つの問題が解決すると、全ての問題が解決したように錯覚するのはなぜだろう?
体が疲れて脳もおかしくなってきているのだろうか?こういう時に興奮しない冷静さが欲しいものだ。
だが、結局は何事もなく家まで着いた。
朝7時に出発して、夜8時に帰宅。
途中でスーパーに行って夕食の買い物も済ませた。
不安と共にスタートしたが、結局は予定通りの1日だった。
今回のまとめ
学び
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腐った食べ物は食べない
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人は未来が確定しないから不安になる
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渋峠の駐車場は昼寝に最適
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下調べはしっかりする(渋峠ホテルまで行って証明書をもらう)
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1つの問題が解決すると、全ての問題が解決したように錯覚する
サイクリングのスペック
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走行距離:248km
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獲得標高:3076m
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走行時間:10時間15分
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合計時間:13時間15分
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平均速度:24.3km/h
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グロス平均:18.7km/h
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消費カロリー:5584kcal
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使ったお金:1965円
サイクリングは2000円で観光と運動と瞑想ができちゃういい趣味です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。